
佐助の谷戸に揺れる笑顔。
ウリン製パーゴラとブランコが繋ぐ子供たちの遊び場
動的荷重を支える架構力学と、子供の健やかな成長を見守る可変設計
動的懸垂剛性ボード
子どもたちが勢いよくブランコをこぐとき、木の枠には体重よりもずっと重い、複雑な引っ張る力や揺れがかかる。ウリンという一番強い木を使い、さらに職人がちょうどよい梁(横に渡す木)の長さやボルトの止め方、コンクリートの土台を正しく作って初めて、揺れをしっかり抑えて支える頑丈さが手に入る。俺たちが計算した佐助のおうちの頑丈さの数値をここに紹介する。
ボルトが耐える引っ張り力
つなぎ目のねばり強さ
骨組み全体の曲がりにくさ
鎌倉・佐助の庭に仕立てた、緑と笑顔が交差する「育つ遊び場」
歴史ある鎌倉・佐助の緑豊かな谷戸(谷あいの土地)に建つ新倉さんのおうち。山からのしっとりとした心地よい風が通り抜けるお庭に、幼稚園生と小学生の弟妹がはだしで走り回り、元気に遊べるブランコ付きのウリン製パーゴラ(木製の棚)を建てた。見た目がおしゃれなだけの棚なら、アルミやプラスチックの偽物の木でも作れるかもしれない。だけど、子どもたちが勢いよく飛び乗って揺らすブランコを安全に支えるとなれば、話はまったく別だ。ウリンの圧倒的なねばり強さはもちろん、職人が考え抜いた頑丈なつなぎ方があって初めて、びくともしない遊び場ができあがる。今回は「ウリンだから大丈夫」と油断せず、激しい揺れを受け止めるボルトの通し方や、子どもの成長に合わせて使い方を変えられる組み立ての工夫について、現場の様子をレポートする。
ブランコの強い揺れを受け止める「梁貫通ボルト工法」とコンクリート基礎

ブランコは止まっている時はただぶら下がっているだけだが、子どもが大きく揺らすと、梁(横の木)と柱のつなぎ目には斜め方向へ引っ張る強い力や、ねじれる力が繰り返し重なる。
いくら「鉄の木」と呼ばれるウリンでも、ビス(ネジ)で簡単に止めただけや、梁の上にロープをグルグル巻きにするだけのつくりでは、何度も揺れるうちに木がすり減ったり、ネジが抜けてしまう危険がある。そこで新倉さんのおうちでは、厚さ10.5センチの分厚いウリン梁のど真ん中に、サビに強いステンレスの太いボルトを突き通し、裏側から分厚い座金(ワッシャー)と二重のナットで力いっぱい締め上げる方法を採用した。
また、柱の足元は佐助の山から来る湿気を考えて、木を直接地面に埋めるのを避け、スチール製の金具で地面から少し浮かせた。その上で、深く固めた鉄筋コンクリートの土台に太いボルトでがっちり固定した。これで、子どもたちがどれだけ勢いよくブランコをこいでも、全体の骨組み自体がびくとも動かない安全性を確保したんだ。足元のつくりや木肌の優しさについては、 子どもの素足に優しい、ウリンデッキの科学 でも証明している通り、家族が毎日触れる遊び場だからこそ、見えない下地にこそ手間をかける必要があるんだ。
- 梁を貫通するステンレスボルトにより、ビス抜けや破断リスクを根本から排除。
- 湿気の多い山際の佐助でも腐食しないよう、基礎コンクリートの上に金物で浮かせた設計。
- 接合部には定期的な点検を容易にするため、カバーを設けずあえてクリアに露出させた状態に。

動的な引っ張る力と梁の曲がり。ブランコをこいだ時の力学シミュレーター
揺れるブランコを支える仕組み
ブランコが大きく揺れるとき、体重の数倍の強い力が梁(横の木)とボルトにかかる。ウリンの圧倒的な強さと、それを活かした頑丈なつくりが、どれだけのゆとりを持って安全を支えているかを詳しく解説する。
ウリン梁(105mm厚)は曲げヤング係数20,000N/mm²以上を誇り、大人が揺れても目視可能な変形は発生しない。
体が大きくなった小学生が大きくこぎ出した状態。引っ張る力は止まっている時の2倍になるが、ウリンの強さとボルトがしっかり支え、梁の曲がりは髪の毛の太さ以下に留まる。
子どもたちの手のひらに優しく。角丸加工と使い方を自由に変えられる工夫

ウリンは木の繊維がぎゅっと詰まっているため、ささくれが刺さると痛いという特徴がある。だからこそ、子どもたちが触るブランコの板や、つかまる可能性のある柱のまわりには、手作業で丁寧な加工をほどこした。
専用の機械で角を丸く削る『R面取り(角丸加工)』を行った上で、職人が目の細かいやすりを使って二度にわたり手作業で磨き上げ、しっとりとした滑らかな質感に仕上げる。この手触りの優しさが、木の温もりを感じながら安心して遊べる環境を作るんだ。
このパーゴラの最大の工夫は『子どもの成長に合わせて変化できる』点にある。子どもたちが大きくなってブランコで遊ばなくなったら、ボルトを緩めてブランコを取り外し、大人用のハンモックを吊るしたり、夏の日よけ用シェード(布)を張ったり、おしゃれに観葉植物を吊るすハンガーとして使うこともできる。
『鉄の木』と呼ばれる圧倒的な耐久性があるからこそ、何十年もこの佐助のお庭で、家族の成長に合わせて形を変えながら使い続けられる。ウリンの本当の強さは、こうした長期的な安心感と、家族の思い出に寄り添い続けられるところにある。長持ちする理由については、 「鉄の木」ウリンの耐久性とは?長く使える理由を徹底検証 でも詳しく書いているが、つくり方を正しく設計して初めて、この長い時間が価値に変わるんだ。
- 手が触れる座板だけでなく、泥靴で走り回ってもささくれが出ない丁寧なやすりがけ。
- 将来、日よけ用の布を張るための金属フックも、梁の上に隠して取り付けてある。
- 子どもたちの成長に合わせて、ブランコからハンモックや物干しへと簡単にパーツ交換が可能。

サビに強いボルトで梁を突き通して固定
梁の上から下までボルトを貫通させて(突き通して)がっちり止めた。金具が外れたりグラグラしたりする心配をなくし、ブランコの揺れの力をしっかり梁に伝える仕組みだ。
柱の根元とコンクリート土台の固定
湿気がたまりやすい地面の中に木を直接埋め込まず、金属の受け皿を使ってコンクリートの土台にボルトでがっちり固定した。柱が沈んだり倒れたりするのを防ぐ。
ロープがこすれないための専用金具
麻のロープが木に直接こすれて切れてしまうのを防ぐため、専用の金属製リングを使って吊るし、ロープが傷まないように工夫した。
すべての木の角を丸く削って磨き上げる仕上げ
角を触っても痛くないように丸く削り、何度も手作業で磨き上げた。子どもたちの柔らかい手が直接触れても、ささくれが刺さるケガをしない仕様だ。
このパーゴラとブランコは、梁(横に渡す太い木)にステンレス製の太いボルトを突き通して固定し、土台をコンクリートでしっかり固めた本物の頑丈なつくりだ。ウリンの圧倒的な強さに甘えることなく、細かく計算して丁寧に角を丸く削った。子どもたちが何年も元気に飛び乗っても、びくともしない安全な遊び場を、俺が佐助のお庭に作ってやったぞ。
安全
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100年後も愛される、
長く使うという贅沢。
私たちの家具が長く使えることを大切にするのは、ウリンという素材が持つ長い時間感覚に裏打ちされているからです。
使い捨ての消費文化から脱却し、世代を超えて受け継がれる価値を持つ家具。KamaKraftは、大自然の恩恵である「鉄の木」を、丁寧な工芸技術によってあなたの日常へと繋ぎます。


